Youtube動画をより詳しく解説・説明しフォローアップします。
(Youtube動画より)
「歯をぶつけてぐらついたり抜け落ちたとしても、諦めたらダメじゃ。
すぐに歯医者さんに電話するんじゃ。
抜けた歯は頭の部分を持って牛乳や専用の保存液に入れるんじゃよ。
決して根っこを持ったり、ゴシゴシ洗ってはダメじゃ。
最善の治療をしてもダメな時もあるが、最初から諦めたらダメじゃ!」
「外傷歯」ってなんだろう?
転倒してしまったときや物がぶつかってしまったときなどに歯に強い力がかかってしまうことがあります。
その結果、歯がグラグラ揺れてしまう、歯が抜け落ちてしまう、歯が割れてしまう、ということがおこります。
「外傷歯」とは、このように外からなんらかの力がかかり治療が必要な状態になってしまった歯のことを表します。
どのようなときに「外傷歯」になるの?
よくある例をいくつか挙げていきます。
まずお子様の例です。
お子様が転んだときにお顔を床にぶつけてしまい歯が欠けてしまった。
お子様がお友達と遊んでいたときに、お友達の頭がお子様の口に勢いよくあたってしまい、歯がグラグラしてしまった。
公園の遊具で遊んでいた際に、お子様のお口に遊具があたってしまって歯が抜けてしまった。
大人も例外ではありません。
通勤途中に駅の階段から転げ落ちてしまい、お顔を強く打ってしまった。
休日に自転車で走行中に転んで顎を打ってしまった。
格闘技をやっている方は相手からのパンチやキックで歯を痛めてしまうこともあるかもしれません。
このように私たちの普段のなにげない生活の中に「外傷歯」を起こしてしまうようなきっかけとなりうる場面が数多くあるのです。
もし「外傷歯」になってしまったら、歯はどのような状態になるの?
なんらかの原因で歯に力がかかった場合、次に挙げるような状態になりやすいです。
①歯がグラグラとゆれている
②歯がポロッと抜けてしまった
③歯が途中でバキッと折れてしまった
④歯の表面にヒビが入ってしまう
痛みがある場合はすぐにご自身でもわかりますし、お子様の場合は痛がったり泣くなどの訴えがみられることが多いので気づいてあげられるケースがほとんどだと思います。
しかし、力がかかったことにより歯の神経が死んでしまった場合や、もともと歯の神経の治療をしている場合だと、全く痛みが出ないこともあります。
痛みが無いと『外傷歯』になっているかどうかご自身でも気がつきませんし、お子様の場合も訴えが無いためわからないこともあります。
「外傷歯」はどのように治療するの?
では、治療方法について説明していきたいと思います。
①歯がグラグラ揺れている(不完全脱臼・亜脱臼)
歯は顎の骨に埋まっています。
しかし歯と顎の骨は直接触れ合っているわけではなく、歯と顎の骨の間には歯肉や靱帯などの柔らかいクッションのような組織があり歯を支えているのです。
その柔らかい組織が炎症を起こしている、伸びてしまっていると支える力が弱くなってしまい歯が揺れてきます。
この場合の処置方法は、固定です。
固定の方法は、揺れている両隣の歯と歯科用のセメントでくっつけるという方法です。
そうすることで揺れている歯の位置を固定することができます。
1〜2週間程度固定をしておくことで、揺れが収まってくれば様子を診て固定を外します。
②歯がポロッと抜けてしまった(脱臼)
歯が根っこごと顎の骨や歯肉から抜け落ちてしまうことがあります。
歯の根っこのまわりは歯根膜といく膜があり、この膜のおかげて歯肉とくっついています。
なので、もし歯が根っこごと抜けてしまったらこの歯根膜を守らないといけません。
そのためにまず、抜けてしまった歯の頭の部分(普段歯みがきで磨く部分です)を持ちます。
歯根膜を保存したいので、けして歯の根っこの部分は持たないようにしてください。
また抜けてしまった歯は空気に長時間触れておくと歯根膜が乾いてしまいますので、自宅では牛乳などに付けておくことをオススメします。
こうすることで歯根膜を保存しやすくなります。
治療方法は再植です。
再植とは抜けてしまった歯の状態によりますがなるべく歯を元の位置に戻すような処置を行います。
抜けてしまった歯を穴に戻して両隣の歯と固定する、または歯肉に縫合して固定する方法などがあります。
歯根膜が守られていると再植の成功率が上がります。
抜けてしまった歯は牛乳に浸して歯根膜を保護し、そのままの状態で歯科医院で診療をしてもらってください。
③歯が途中でバキッと折れてしまった(破折)
歯に対して横のラインで折れてしまうことがあります。
歯の頭の部分が折れてしまい、歯の根っこの部分はお口の中の歯肉に付着している状態です。
治療方法は接着再植です。
折れてしまった大きさにもよりますが、歯科用の接着剤で歯肉に残っている歯の根っこに接着します。
また補強と動揺防止のために両隣の歯と接着剤で固定することもあります。
④歯の表面にヒビが入ってしまう(マイクロクラック)
歯の表面に浅いヒビが入ってしまうことがあります。
ご自身の歯ぎしりでもこのマイクロクラックを起こすこともあります。
光の加減で鏡でよーくみないとわからないこともあります。
症状が無い場合は、経過観察をしていきます。
ヒビが深くなってきた、歯がしみるようになってきたなどの状態に発展したら治療をすることもあります。
「外傷歯」のまとめ
「外傷歯」の原因と治療方法について説明しました。
歯はなるべく削らない、抜かないほうが良いですよね。
外傷歯もスムーズな対応、適切な処置を行うことで元に戻ることが出来、その歯を救うことが出来るかもしれません。
外傷を受けてから処置までの時間が長くなればなるほど処置の成功率は下がってしまい、歯を抜かなければならなくなってしまいます。
転んだりぶつけてしまって心配になったら歯科医院で診てもらいましょう。
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