【データ無料配布】キャラクター3Ⅾ制作の裏の裏

最終更新: 2022年2月23日

あのムシバキンたちが3DになってVR(仮想現実)に登場!!

今回はその制作を担当した隻 晶(せき あきら)氏が3Dモデルをわかりやすく徹底解説。

3Ⅾモデル依頼内容

まずは、元となるキャラクターと最終ポーズの打ち合わせをします。

【3Dモデル】キャラクターポーズ依頼
【3Dモデル】キャラクターの角度

3Ⅾモデルとは

(1)メッシュの構築

3Dモデルは使用によって様々な表現がありますが、ここでは主にゲーム制作における3Dモデルの簡単な説明をしたいと思います。

まず一般的に3Dモデルの基本的な構造は主にポリゴン(メッシュ)というデータで構築されています。

【3Dモデル】3Dモデルのポリゴン(メッシュ)

このポリゴン(メッシュ)構造をある形式のファイルに変換し、それをソフト間行き来しながら作業を行っていくのがゲーム制作における一般的な作業の流れの一つとなります。

ここではBLENDERからUNITY間へのやりとりの作業の流れを説明します。

(2)マテリアルスロットの設定

もう一つ大事な点としてはマテリアルスロットの設定という点があります。

マテリアルとは簡単に申し上げれば、人間に例えると肌や服の色の種類を指定してあげるようなものです。

このマテリアルはメッシュ単位でも設定できます。

今回の制作はBLENDER(3D制作ソフト)の段階ではどのメッシュでマテリアルが区切られているかのみの情報を指定して、FBXファイルという形式でUNITY上へエクスポートし、細かい色の設定はUNITY上で行う仕様にしました。

UNITY上で指定した方がゲームの仕様上の都合で表示の変更が発生した際にいちいちBLENDERに戻って素材設定をしなくても良いからです。

【3Dモデル】マテリアル

3Ⅾモデル制作に使ったソフト

BLENDERというソフトを今回は3D制作において使用しました。

実際のプロのゲームの現場では主に3DMAXやMAYAなどが使用されています。(複雑で有機的なメッシュにおいてはzbrushなど)

プロの現場に使われる理由してそれらのソフトは機能が素晴らしいという点もありますが、やはり業界標準で機能メンテナンスがしっかり取られているので大人数でソフトのデータを共有がしやすいという点も大きいかと思います。

BLENDERでは急速に日々進化しているソフトですので、少しバージョンが違っただけで操作方法やデータやりとりの際にどうしてもエラーが出てしまう可能性があります。

ですから多人数における制作においては会社内での業務ルールが作りにくくその点では不利と言えるかもしれません。

ですが、クライアントの仕様に準じたファイルで最終的に出力出来ればいいので、ある程度の対応力のある人でしたらBLENDERは個人制作やフリーにおいても十分すぎるほどの機能が備わっていると言えるでしょう。

3Ⅾ モデルの簡単な制作手順

(手順1)3Ⅾモデルの意識合わせ

まず共同作業において一番大事な意識合わせの作業があります。

事前に3Dモデルの大ラフを用意しておくと便利でしょう。

このようなモデルの大まかなシルエットがわかる形と色のパーツ分けがしっかりしたイラストが非常に重要になります。

【3Dモデル】3Dモデルの三面図

(手順2 )3ⅮモデルのTポーズ作成

人間や動物などに限らず機械においても稼働が前提なモデルや複雑なポーズのモデルにおいては最初にモデリングしやすいポーズを決めてモデリングします。

今回のモデルは人間に近いのでTポーズと呼ばれる人間のモデリングでは定番のモデリングの形で制作してみました。

※ちなみに、モデリングといってもパーツ毎に分解して考えると、簡単な球状や筒状のものがほとんどです。この形状は3Dソフトに予め用意されているものです。

それらをつなぎ合わせ、詳細の部分にアレンジを加えていくといった流れがモデリングの基本になるかと思います。

【3Dモデル】3DモデルのT ポーズ

(手順3)3Ⅾモデルキャラにポーズをつける

次にキャラクターに骨を入れます。

特に決まりなどは無いので稼働部分を意識して骨を入れていけばいいと思います。

【3Dモデル】3Dモデルの骨入れ

次にボーンとキャラクター紐付けし、紐付けられたボーンを動かすことによってモデルの複雑な形状の変化が可能になります。

【3Dモデル】3Dモデルのポーズ付け

(手順4)3Ⅾモデルのマテリアルの設定

最後に指定箇所のメッシュにマテリアルを設定していきます。

後からメッシュの変更が加わったらマテリアルの設定もやり直しになりますので、ある程度メッシュの構造をクライアントと固めてからマテリアルの設定に移ったほうが良いかと思います。

一見、目の部分はペイントツールなどで描いたように見えますが、これもメッシュでマテリアルの境界線を決める事により後からの仕様変更による色変えでもUNITY側で柔軟に対応可能になります。

【3Dモデル】3Dモデルのマテリアル設定

3Ⅾモデル制作者の感想

今回ゲーム制作で3Dを担当させて頂くことになり、いつも以上にモデリングに集中できる環境を提供して頂いたと思います。

実際にゲームが動いているキャラクターを見るのは実に感動しました。

【3Dモデル】アニメーション位置決め

3Ⅾモデル製作依頼はこちら

スキルマーケットcoconala(ココナラ)というアウトソーイングサイトの

隻 晶(せき あきら)氏に依頼をするとCG作成(画像)や3Dファイルの製作をしてくれます。

https://coconala.com/services/1039223?ref=top_histories&ref_kind=home&ref_no=1

BLENDERからUNITYへFBX形式の出力の仕方

最後にBLENDERからUNITYにデータを持っていきクライアントに提出する一連のルールを自分なりにまとめて見ます。

(1)FBXの出力

色ごとにマテリアルを分解します。

後で色は変更できるのでとりあえず分かりやすい色で大丈夫です。

【3Dモデル】FBXの出力

(2)UNITY上でのファイルの選択

UNITYで先程のファイルを選択します。

プロジェクトの項目の任意の場所上で右クリックを押しインポート ニューアセットでFBXファイルを読み込みます。

【3Dモデル】UNITY上でのファイルの選択

読み込まれたファイルがこちらになります。

中を覗いてみるとアニメファイルとマテリアルファイルが一緒になっています。

これを他の人でも分かりやすいように、アニメファイルとマテリアルファイルに抽出していきます。

【3Dモデル】アニメファイルとマテリアルファイル

ファイルへの抽出作業

(1-1)アニメーションファイルの抽出

アニメファイルを抽出してみます。

複数アニメファイルがある場合は実際に再生してみるといいでしょう。

【3Dモデル】アニメーションファイルの抽出

(1-2)アニメ抽出

アニメ抽出はCTRL+Dを押すとFBXファイルから抽出できます。

【3Dモデル】アニメ抽出

(1-3)実際にアニメファイルがうまく再生できるか試してみます

【3Dモデル】アニメーションコントローラーを作成

まずアニメーションコントローラーを作成します。

その後、ヒエラルキー上のモデルにアニメーションコントローラーをドラッグ・アンド・ドロップしてみましょう。

【3Dモデル】ヒエラルキー

次に先程抽出したアニメーションをアニメーションコントローラー上にドラッグ・アンド・ドロップします。

これで完成です。

【3Dモデル】アニメーションコントローラー

アニメをループさせたい場合は抽出したアニメのインスペクターを開き、ループボタンにチェックを入れます。

【3Dモデル】ループボタンにチェック

(1-4)ファイル抽出後

抽出が終わりましたらFBXファイル内のアニメーションは要らないので、インスペキュラーのアニメーションタブのインポートアニメーションのチェックを外した後アプライをクリックします。

FBXファイル内からアニメーションは消失します。

【3Dモデル】アプライをクリック

マテリアルの抽出

FBXファイルのインスペキュラー画面のマテリアルタブを押し、エキストラクトマテリアルズをクリックすると任意の場所にマテリアルが出力できます。

これでFBXファイル内にはメッシュ情報しかなくなりスッキリしました。

【3Dモデル】エキストラクトマテリアルズをクリック

ファイルを受け渡し形式にパッケージ化

プロジェクト上で抽出したファイルを選択して右クリックし、エクポートパッケージをクリックします。

【3Dモデル】エクポートパッケージ

3Ⅾモデルファイルはこちらから無料ダウンロード

ご自由にお使いください。

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